卒 業 を 祝 う
三年担任のことば―
1組 葛城 2組 三好 3組 志岐 4組 中野 5組 郡山
6組 土井 7組 小淵 8組 重富 9組 中本 10組 沢辺 11組 永田
校長 友永茂男
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3−6担任 土井一郎
何年か前、クラスの文章に次のようなことを書いたことがある。
「現代の若者は非常に現実的で自己中心的でロマンティシズムがないとよく言われる。このことは現代社会の一般的風潮であって、現代の若者だけが責められる問題ではないと思うが、いずれにせよ、余りに現実的であることは面白さに欠ける。創造力に乏しいからである。元来ものを創り出す力―創造力―は想像力の豊かさの中から生まれてくるものだと思う。若者の為すべきことは現実に立脚して未来へ眼を開くこと、未来を創造する支点になることだと思う―後略―」
この文をそのまま君達におくれば「先生、今の日本にどんな未来があるのですか」と言われそうな気もする。実際、今の乱れた世相を見るにつけ、日本は、日本人はどうなってしまうのだろうかと思わぬでもない。現代は価値判断が多様化して、社会そのものが無目的であるような印象が非常に強いことは否めないが、そんな時代にこそ、本当に創造力の豊かな感受性にあふれた人間が必要なのではあるまいか。
君達はいま受験勉強に追われてまわりを見まわすゆとりはないかもしれないが、今の厳しさを乗り越えてまわりを見まわすゆとりができたときには、これから自分は何をすればよいのかをしっかりと考えてほしい。そして君たちのすべての人がもつ英知とエネルギーによって何ものかを選択し、全力をあげてぶつかってもらいたい。それが未来を開く支点になることを私は信じてやまない。
最後に、私の好きな句を書いておきます。
送られつ
送りつ
果ては木曽の旅
『東高新聞』第151号 昭和53年3月29日(水曜日)発行