卒 業 を 祝 う 
三年担任のことば― 

1組 葛城  2組 三好  3組 志岐  4組 中野  5組 郡山
6組 土井  7組 小淵  8組 重富  9組 中本  10組 沢辺  11組 永田

校長 友永茂男

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   3−10担任 沢辺 侃

 三年間授業して、最後の授業の日、私の時間の感想文を書いてもらったら「先生の授業の偏見と独断に満ちた・・・・」というのが、いくつかあって、ああ、よかったと思った。昨今のように平均的な考えを述べていさえすればよい状況の中で、多少とも反発を感じる生徒がいてくれた、ということが明日の授業への糧となるからだ。
 教育の荒廃などと、気やすく言うが、我が東高に荒廃などひとかけらもない、と私は思う。
 卒業していく諸君のなかに、私と終生の友となる人をつくることができたし、家族ぐるみでご交際いただいた保護者の方がたの暖かいバックアップも、これからの私の人生に脈々と活きつづける糧と信じている。そういう状況の中で独断や偏見に満ちていようがいまいが、思い切り授業をやらせてくれた生徒諸君、絶えず激励下さった保護者の方がたに心からお礼申し上げたい。
 人と人とのつながりが、なんといっても根本なのだから、それがある限り、荒廃などと軽々しく言えたものじゃない、と私は強く思っている。この原稿を書いている日が二月十四日だったため、美しく包装されたチョコとカードにメッセージを書いて、受験準備のまっただ中に、私に贈ってくれたのを目の前にしている故か、自己中心的な別れの言葉となったが、向後同窓生としてのかかわりがずっと続くのだから、しばしの別れということで許して戴きたい。
 みんな元気で幸せな人生をすごすよう祈ってやまない。


   『東高新聞』第151号 昭和53年3月29日(水曜日)発行